H17.6 会社法改正と有限会社
 

 商法改正に伴う会社関係の新しい法律「会社法」が、平成18年4月1日に施行される予定です。
 「会社法」は、従来の商法、有限会社法、商法特例法を見直し、有限会社制度を廃止し株式会社制度に一本化するものであり、実務への影響も非常に大きなものになると考えられます。
 今回は、会社法改正による既存の有限会社への影響について見てみましょう。


1.改正による主な変更点

従来の有限会社 従来の株式会社 新しい「株式会社」
最低資本金 300万円 1000万円 最低資本金制度撤廃
取締役 1人以上 3人以上 1人以上
取締役会、監査役 任意で設置 必ず設置 任意で設置
取締役、監査役の任期 制限なし 取締役2年
監査役4年
最長10年
類似商号(同一市町村) 不可 不可 可能(商標登録による保護は認められる) ※1
会計参与制度 ※2 規定なし 規定なし 導入可能(公認会計士、又は税理士を選任)


 ※1 設立の際の類似商号による申請前調査や審査に時間を要するといった不都合がなくなり、会社の設立がより容易に行えるようになります。

 ※2 計算書類の信頼性を向上させるため、会計専門化家が取締役とともにB/S、P/Lなどの計算書類の作成を行います。


2.既存の有限会社への影響


                                   有限会社制度の廃止による影響

 従来の有限会社は会社法施行後、会社法の規定による株式会社として存続することになります。ただし、すでに起業している有限会社については、経過措置が認められ会社法施行後も現行の有限会社法の下で存続することも可能です。「有限会社」という名称については、既存の有限会社は例外として商号中に「有限会社」の文字を用いることが認められるため、名称をそのまま存続することも可能です。商号を株式会社に変更したい場合には、有限会社の解散の登記をして、株式会社の設立の登記をすればよいと規定されています。つまり、定款変更と登記のみで、株式会社への組織変更が可能となります。

                                   最低資本金制度の廃止による影響

  「中小企業挑戦支援法」により株式会社を資本金1円で設立し、5年以内に1千万円以上に増資しなければ存続できなかったものが、会社法により増資が不要になり資本金1円のままで存続できるようになります。つまり、いわゆる1円会社が恒久的に認められたことになり、現在資本金が300万円である有限会社でも、減資を行うことが可能となります。ただし、取引先保護のため、財源規制として株主への剰余金分配については純資産額300万円未満の場合は分配できないとされています。







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