災害等における税制上の優遇措置
 

 災害等により固定資産に被害を受けた場合には、固定資産税の減免制度により固定資産税が減免されます。
また、固定資産税以外にも所得税が減免される雑損控除や災害減免法による控除等があります。

 今回は、この災害等における税制上の優遇措置について見てみましょう。


1.固定資産税の減免制度


 台風・津波・地震などの災害により、滅失または甚大な被害を受けた家屋・償却資産、土地等の固定資産については、次のいずれかの要件を満たしていれば、被災の程度に応じて固定資産税が減免されます。

< 適 用 要 件 >
  • 建物については、床上浸水や甚だしい傾斜、また壁や屋根の広い範囲での損壊があった場合
  • 償却資産については、使用不能となった場合
  • 土地については、水没・埋没・崩壊などにより使用困難となった場合


※ 固定資産税の減免制度は各市区町村によって異なりますので、詳細は各市区町村にお問い合わせ下さい。

2.雑損控除・災害減免法


地震、火災、風水害などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、下記表の条件を満たしていれば確定申告で「所得税法」に定める雑損控除、「災害減免法」に定める税金の軽減免除のどちらか有利な方法を選ぶことによって所得税の全部、又は一部を軽減することができます。

所得税法(雑損控除) 災 害 減 免 法
損失の発生原因 災害、盗難、横領による損失が対象 災害による損失のみが対象
損失の対象となる資産 ・生活に通常必要な資産に限る
(たな卸資産や事業用の固定資産は除く)
住宅や家財(損害額が住宅や家財の価額の2分の1以上であることが必要)
損失の繰越控除 損失額が所得金額以上の場合、翌年以降最長3年間の繰越控除が可能 損失額が所得金額を超える場合でも、翌年以降への繰越は不可
所得金額の制限 制 限 な し 損害を受けた年の所得金額が1,000万円以下であること
控除額

または減免額
(1)と(2)のいずれか多い金額

(1)差引損失額 − 合計所得金額×1/10

(2){差引損失額のうち災害関連支出の金額}−5万円

※差引損失額=損害金額ー{保険金等で補填される金額}
所得金額が500万円以下
全額免除

所得金額が500万円超750万円以下
2分の1相当額の免除

所得金額が750万円超1,000万円以下
4分の1相当額の免除







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