H15.10 消費税総額表示に掛かる費用の取扱い
 

 平成15年の消費税改正により、平成16年4月から取引価額の税込表示(総額表示)が義務付けられました。これに伴い、小売店等においては
レジシステムや会計処理システム等の改修が必要になってきます。
 今回はこの総額表示に掛かる費用についての取扱いについて見ていきましょう。





 平成15年の税制改正により消費税の免税点が以下のように改正されました。(レーダー通信H15.6月号参照)

         免税点の引下げ 簡易課税制度の対象者
改正前   課税売上高3,000万円以下   課税売上高2億円以下
改正後   課税売上高1,000万円以下   課税売上高5,000万円以下

                ※上記の課税売上高は基準期間(前々年度)の課税売上高で判定します。

 <適用時期>
    ・法人 ・・・ 平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用
    ・個人 ・・・ 平成17年1月1日以後開始する課税期間(平成17年分確定申告)から適用


2.総額表示導入に伴う費用の取扱い


 平成16年4月1日から事業者が消費者に対して値札やチラシあるいはカタログなどによって商品等の価格をあらかじめ表示する場合には、
消費税額を含めた支払総額の表示が義務づけられます。(レーダー通信H15.7月号参照)
 この総額表示に対応するための費用は全て一括で費用計上することが出来ます。ただし、会計処理システム・レジシステム等のプログラム
修正に要する費用で、かつ、20万円以上のものについては、下記の条件を満たせば「修繕費」として一括で費用処理することが出来ますが、
条件を満たしていない場合には資産計上しなければなりません。


 < 条 件 >
    (1) プログラムの修正等が総額表示の義務化に対応したものであること。
    (2) 修正過程で作業指図等が明確にされていること。
    (3) 現在使用中のプログラムの機能を維持するための修正であること。
    (4) 新たな機能の追加や機能の向上等がないこと。


                   ※ 平成16年4月から「総額表示」が始まるため、総額表示に対応するための費用(プログラム修正に掛かる費用を含む)は
           平成16年3月末日までに費用計上しなければなりません。したがって、費用処理の時期を繰越したり、平成16年3月期と
            平成17年3月期とに費用を分散させることは出来ないので注意が必要です。


   <実際の適用時期>
      総額表示の適用は平成16年4月1日(木)からですが、事前に表示方法を改めることは何ら問題がないため、平成15年の年末
     までに準備を行い、平成16年の営業開始日から適用してみてはいかがでしょうか。
 







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