H14.3 養子制度と相続税対策
税金の中で一番負担が大きいものとして相続税があげられます。前外務大臣田中真紀子さんが以前相続税の支払のために豪邸を納めたというのは、みなさんもご存知かと思います。
そこで今回は相続対策の一つとして養子縁組を使った相続対策について見てみましょう。
養子には、特別養子と普通養子の2つの種類があります。
項目 | 特別養子 | 普通養子 |
親の制限 | 原則として25歳以上の夫婦 | 成人であるもの |
養子の制限 | 原則として6歳未満 | 養親より年少者 |
縁組の手続き | 家庭裁判所の許可が必要 | 養子が15歳以上であれば当事者の届出 |
親子関係(相続権) | 実親との親子関係は切れ、養親とだけの親子関係となる | 実親と養親の2組の親をもつこととなる |
戸籍の記載 | 「実子」として記載される | 「養子」として記載される |
注意:相続税の養子人数の制限
民法上は何人でも養子となれますが、相続税法上では実子(実の子供)がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までしか養子(法定相続人)として認められていません。(特別養子その他一定の場合は認められています。)
養子(法定相続人)が増えると相続税の計算上、次の項目について効果があります。
・基礎控除額の増加 → 基礎控除額(非課税枠)が養子(法定相続人)1人あたり1千万円増加
・生命保険の非課税限度額の増加 → 非課税限度額が養子(法定相続人)1人あたり500万円増加
・死亡退職金の非課税限度額の増加 → 非課税限度額が養子(法定相続人)1人あたり500万円増加
(具体例)
相続財産− 土地、現金等 1億8千万円
死亡保険金 2千万円
死亡退職金 2千万円
相続人 − 配偶者、子供1人
相続人 | 妻1人、子供1人 | 妻1人、子供2人 |
基礎控除額 | 7,000万円 | 8,000万円 |
死亡保険金控除額 | 1,000万円 | 1,500万円 |
死亡退職金控除額 | 1,000万円 | 1,500万円 |
相続税額 | 2,860万円 | 1,990万円 |
養子が増えると870万円の節税になります。
また、孫を養子に迎えるというのもひとつの手です。その孫が相続財産を受けついだ場合には、本来は祖父→父→孫と2回分の相続税を支払うところを、1回分の相続税の支払いですませることができます。しかしながら、養子縁組は後でトラブルになることもあるため慎重に検討することが必要です。
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