交際費の一人当りの飲食費基準改正と注意点
税制改正により令和6年4月1日より一人当りの飲食費の上限が5,000円から10,000円になります。
この上限変更によって税務上どのように変化があるのか見ていきましょう
従来では飲食費が一人当たり5,000円以下であれば、交際費から外れ損金算入が可能でしたが、
令和6年4月1日より5,000円という基準が10,000円になります。
基準が引き上げられた理由としては、経済の活性化や飲食店の需要喚起があります。
これにより損金算入額が増え、法人が納める法人税額が低くなり、法人が飲食店で接待に使う金
額も増えるので、飲食店側にとっても売上増というメリットもあります。
法人が支出した交際費等の計算について損金不算入額等を計算する際税抜経理を採用している
場合は、原則として消費税等抜きの交際費等の額を基に計算します。
インボイス制度導入後は、免税事業者等に交際費等を支払った場合、原則として仮払消費税等の
額がないものとされるため、仕入税額相当額の全額を交際費等の額に含めて計算することになりますが、
下記【参考】の令和11年9月末までの経過措置を適用する場合は、仕入税額控除の対象となる部分は
消費税等とみなして交際費等の額から除かれます。
【参考】 免税事業者に支払った飲食費・交際費等の計算方法
具体的には、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの間は、仕入税額相当額の
期 間 仕入税額控除の対象 飲食費・交際費等の計算方法 令和5年10月1日
〜令和8年9月30日仕入税額相当額の80% 税抜価額+仕入税額相当額の20% 令和8年10月1日
〜令和11年9月30日仕入税額相当額の50% 税抜価額+仕入税額相当額の50% 令和11年10月1日〜 な し 税抜価額+仕入税額相当額の100%
80%部分を除いた20%の部分を交際費等の額に含めて計算することになります。
(例)
税抜経理を採用している法人が免税事業者に対して飲食費として一人当たり税込10,780円
(消費税率10%)を支出した場合は、経過措置を適用して784円(仕入税額相当額の80%)が仕入税額
控除の対象になります。
残りの9,996円(税抜価額9,800円+仕入税額相当額の20%の196円)が飲食
等に要した費用となり、10,000円以下となるため交際費等の額から除かれ損金算入されます。
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