少額の減価償却資産の損金算入制度の見直し

 令和4年4月1日以後に取得する減価償却資産について、少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度等を
利用した節税スキームを封じるため同制度の対象となる資産の見直しが行われます。
 今回はどのように変わるのかを確認していきます。

1. 対象資産の見直し 

令和4年4月1日以後に取得等をする減価償却資産は以下のように見直されます。

少額減価償却資産(10万円未満
又は使用可能期間が1年未満)の取得価額の
全額損金算入制度
対象資産から取得価額が10万円未満の減価償却資産のうち
貸付け(主要な事業として行なわれるのを除く)の用に供した
もの
を除外する。
一括償却資産の3年償却制度
(10万円以上20万円未満)
対象資産から減価償却資産のうち貸付け(主要な事業と
して行なわれるのを除く)の用に供したもの
を除外する。
中小企業者等の少額減価償却資産
(
30万円未満)の取得価額の
全額損金算入の特例
対象資産から減価償却資産のうち貸付け(主要な事業と
して行なわれるのを除く)の用に供したもの
を除外し、
適用期限を2年延長する。


2. グループ経営の一環として貸付けを行っている場合 

 節税目的ではなく、グループ経営の一環として、グループ内で貸付けを行っている場合は
「主要な事業として行なわれるもの」として取扱い、これまで通り少額減価償却資産の特例が
出来る予定です。

例えば、ボリュームディスカウントを行いたい、子会社には資金がないなどの
理由により、親会社などが親会社などがスマートフォンやPC等の会社備品、
ソフトウェアなどの少額の減価償却資産を一括で購入し、子会社等に貸付け
を行っている場合に適用となります。

3. 特例の対象から除外されたものは償却資産税の対象 

 この度の改正で上記の対象資産から除外された貸付けの用に供した資産に関しては、
償却資産税の対象となる予定です。

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