65万円の青色申告特別控除の要件変更


  平成30年度の税制改正により、令和2年分の所得税から65万円の青色申告特別控除の金額や要件が変更となりました。
今回はこの事について見ていきましょう。
      


1, 改正された点


  基礎控除の額が10万円増え48万円になりましたが、65万円の青色申告特別控除の額は10万円引き下げられ、55万円となりました。ただし、これまでの65万円の控除を受ける際の要件 に加えて、新しく追加された下記の要件を満たすことで更に控除額を10万円分上乗せして、これまで通り65万円の控除を受ける事も出来ます。

改正前 改正後
基礎控除額 38万円 48万円
青色申告特別控除額 65万円 55万円(新たに追加された要件を満たした場合は65万円)

2. 改正前の65万円控除を受ける為の要件 

   65万円の青色申告特別控除を使うためのこれまでの要件は以下の通りでした。

(1)複式簿記での記帳
(2)申告の際に貸借対照表と損益計算書を添付
(3)期限内申告

3. 新たに追加された要件 

 新たに追加された以下の要件の内、どちらかを満たせば55万円に更に10万円分の控除額を上乗せして65万円控除を受ける事が可能です。
(1)e-Taxによる電子申告を行う
(2)電子帳簿保存を行う


 (1)のe-Taxとはインターネットを利用して電子的に確定申告等を行えるシステムです。
 (2)の電子帳簿保存は電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを用いて、一定の要件の下、帳簿を電子データのまま保存できる制度です。この制度の適用を受ける為には帳簿の備え付けを開始する日の3か月前の日まで税務署に申請書を提出する必要があります。つまり課税期間の途中から適用を受ける事は出来ませんが、令和2年分に限っては9月30日までに申請書を提出し、同年中に承認を受けて、年内に仕訳帳と総勘定元帳を電磁的記録による備え付け、保存を行うことで要件を満たし、控除を受ける事が可能です。
 なお、電子帳簿保存法では、データの修正履歴や削除歴を残す必要があります。


4. その他 


 今回新たに追加された要件を満たせば65万円控除も引き続き使え、また基礎控除が10万円像がされて48万円になったので、65万+48万=113万円分の控除を受けられます。積極的にe-Taxによる電子申告や電子帳簿保存を行って行きましょう。

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